医師が監修!女性の死亡原因1位の乳ガン、早期に発見する方法と予防法

乳ガン
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監修:簡野晃次医師

年々増え続ける乳ガン

女性のガンの死亡原因の第1位

日本では、ここ10数年の間、乳ガンになる人が急増しており、ガンで亡くなる女性の死亡原因をガンの種類別にみてみると、現在乳ガンが第1位を占めています。

乳房は女性の象徴であるだけに、乳ガンになると、他の部位にできるガン以上にショックを受ける女性が大勢います。けれども、乳ガンを発病しても発見が早ければ、昔のように乳房全体を切除する手術ではなく、部分切除ですむ場合が増えています。

また万が一、再発しても、再手術やホルモン療法、化学療法、放射線療法など複数の治療法を併用する集学的治療で良くなることが多いので、悲観する必要はありません。

乳ガンを少しでも早く発見し、早期治療を行うためには、乳ガンの症状や自己検診の方法などを知っておくことが大切です。

乳ガンの代表的な症状は乳房のしこり

乳がんの注意症状

乳ガンは母乳を分泌する乳腺という組織にできるガンです。乳ガンの代表的な症状は乳房のしこりです。硬くてごりごりしていて痛みはほとんどありません。また、妊娠中や出産直後、または授乳中ではないのに、乳頭から乳汁や血液のようなものが分泌される場合や、乳房のへこみやひきつれ、乳頭の陥没などの症状がみられたら注意が必要です。

乳腺にできたガンが大きくなってくると、周囲の脂肪組織にガンが広がっていき、次第に筋肉や乳房表面の皮膚までガンにおかされていきます。肋骨まで転移してしまう場合や、乳腺の中にあるリンパ管に転移して全身のリンパ節にガンが転移したり、乳腺の中にある血管を介し、血流にのって肺や骨などに転移してしまうこともあります。

乳ガンの発病には女性ホルモンが関係する

乳ガンの発病には、エストロゲンという女性ホルモンが関係することがわかっています。エストロゲンは、月経をコントロールする働きのあるホルモンで、乳ガンの発生や増殖を促進する働きもあるといわれています。

そのため、初潮が始まるのが早かった人や閉経が遅かった人、子どもを産んだことがない人は、エストロゲンが分泌されている期間が長いため、乳ガンを発病するリスクが高くなります。また、未婚の人や、初産が30歳以上だった人なども、エストロゲンのバランスが崩れやすく乳ガン発病のリスクが高くなります。

さらに、閉経後は卵巣でつくられていたエストロゲンが脂肪細胞で合成されるようになります。そのため、肥満気味で体脂肪の多い人も要注意です。

乳ガン発病のリスクが高い人チェックリスト

□ 初潮が始まるのが早かった人、または50歳以上で閉経になった人
□ 30歳以上で未婚の人
□ 出産の経験がない人
□ 初産年齢が30歳以上の人
□ 出産したのが30歳以前でも、子どもに母乳をあげなかった人
□ 子宮内膜症などで、エストロゲン製剤を長期間服用している人
□ 乳腺の良性疾患にかかったことがある人
□ 肥満気味の人
□ 脂肪が多い食事をとっている人
□ 家族や血族に乳ガンを発病した人がいる人

乳ガンを早期に発見するために自己検診を習慣づけよう

乳ガンを早期に発見するには、最低月に1回、乳房を自分で触ってみる自己検診を行うことが大切です。しこりなどの症状がみられたらすぐに乳腺外科や乳房外来、または外科の診療科がある病院で検査を受けましょう。しこりなどが見られないときも、30歳以上の方は年に1回は乳ガン検診を受けるようにしましょう。

乳ガンの自己検診法

毎月1回、生理が始まってから約1週間後、乳房の張りや痛みがない状態の時に自己検診を行いましょう。閉経後の方は、「毎月10日に行う」など、日を決めて行うとよいでしょう。乳房の日頃の状態をメモしておくと、変化があった時すぐにわかります。

浴室でチェック

入浴時やシャワーを浴びる時、石けんがついた手でふれると乳房の凹凸がよくわかります。左の乳房にさわる時は右手で、右の乳房は左手で触りましょう。

1. 4本の指を揃えて、指の腹とろっ骨で乳房を挟むように触り、「の」の字を書くように指を動かします。しこりや硬いこぶがないか、乳房の一部が硬くないか、わきの下から乳首までチェックしましょう。

2. 乳房や乳首を絞るようにして乳首から分泌物が出ないか調べます。

乳がん浴室でチェック

仰向けの状態でチェック

仰向けに寝た状態で、調べる側の乳房の下に枕などをあて、浴室の時と同じようにさわってみましょう。

乳がん仰向けでチェック

鏡の前でチェック

腕を高く上げて、ひきつれやくぼみ、乳輪の変化、乳頭のへこみ、湿疹がないかどうか確認しましょう。また、両腕を腰にあてて、しこりやくぼみがないか確認します。

乳がん鏡の前でチェック

乳ガンの治療と予防

触診とX線検査、病理検査で診断

しこりを見つけて病院を受診すると、通常、専門医は触診や乳房X線検査(マンモグラフィー)、超音波検査などを行います。そして、最終的にそのしこりを少しだけ採取し、顕微鏡で調べて乳ガンかどうかを診断します。

乳がんの治療法

検査の結果、万が一、乳ガンだと判明した場合、主な治療法としては、手術、ホルモン剤を服用するホルモン療法、抗ガン剤を使う化学療法、ガン細胞に放射線を照射する放射線療法などがあり、複数の治療法を組み合わせることもよくあります。

どの治療法を選択するかは、乳ガンのタイプやガンの進行度、患者さんの体力などによって違いますが、ガン細胞を取り除くために、手術が適用されることが多いようです。

手術は、以前はガンの再発や転移を防ぐため、ガンがある方の乳房全体、すなわちガン細胞と胸の筋肉、わきの下のリンパ節を切除する方法が主流でした。しかし、美容上の理由や、腕の筋肉が上がらないなどの後遺症が残ることから、乳房周辺の筋肉や神経を残すような手術方法や、乳房をできるだけ残す乳房温存手術が行われるようになってきました。

また、乳房を切除してしまった場合も、状態によっては、背中やおなかの皮膚の一部を、皮下脂肪や筋肉ごと胸に移植して乳房を再建する乳房再建手術を適用できるようになってきました。

乳ガンの予防法は?

乳ガンから命を守るためには、早期発見が一番。自己検診や、最低年に1回の定期検診を受けることが重要です。また最近、40歳以上の方は、2年に1回は乳房X線検査を受けた方がよいといわれています。

そのほか、乳ガンを予防するには、下記にあげたガンを防ぐ12ヵ条を守ったり、エストロゲンの分泌過剰を抑え、乳ガンや子宮ガンを予防する働きがあるといわれイソフラボン(大豆などに多く含まれています)を摂取したりするとよいでしょう。

ガンを防ぐための12か条

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