40歳を超えて発症も!大人の喘息の治療法・原因を医師が解説

大人の喘息
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監修:簡野晃次医師

大人からの発症も多い気管支喘息

大人の喘息患者の約半数は中高年で発症

喘息(気管支喘息)は、気管支に慢性的な炎症が起きて気管支が過敏になり、ダニ、排気ガスなどちょっとした誘因で気管支が収縮し、咳、ぜん鳴(気管支がゼーゼーと鳴ること)、呼吸困難などの発作が起きる病気です。特に、夜間や早朝、運動時、季節の変わり目、寒い季節に咳などの症状がひどくなります。

喘息は子どもに多く見られますが、実は大人の喘息患者も多いのです。成人の喘息患者で子どもの頃からずっと喘息だった人は少なく、40歳を過ぎてから発病した人が約5割を占めます。

喘息の原因

子どもの頃に発病する喘息は、ダニやハウスダスト、花粉などにアレルギーを起こすことが原因(誘因)で発病するアトピー型喘息です。小児喘息を起こす子どもは、アレルギーを起こしやすい遺伝的な体質を持っているため、アトピー性皮膚炎などほかのアレルギー性の病気も合併することがよくあります。

それに対して成人になってから発病する喘息の多くは、アレルギー反応ではない別の原因で炎症が起きる非アトピー型です。非アトピー型喘息の場合、喫煙、排気ガスや大気汚染、インフルエンザなど呼吸器系の感染症の増加、仕事や人間関係などの精神的なストレスが大きな原因となります。

また、アスピリンなどの鎮痛剤を服用して喘息の発作が起こることもあります。アスピリンによる喘息をアスピリン喘息といい、慢性鼻炎などを合併した重症のケースが少なくありません。

さらに、アトピー型の場合、ダニやハウスダスト、花粉などのほか、犬や猫などのペットでアレルギーが起きることもあります。スギ材や馬の毛など植物・動物由来の物質、薬品、洗剤、化粧品など仕事で取り扱う物質によって喘息が起きることもあり、これを職業喘息といいます。

アトピー型と非アトピー型、そしてアスピリン喘息の人は皆、気管支の炎症を起こしやすい体質であり、そこに環境的な要因や心身の疲労などが複雑に絡み合って喘息を発病するのです。

気管支喘息を改善するには?

喘息は、喘息を起こしやすい遺伝的な体質に、アレルギー反応を起こす物質や大気汚染などの要因が加わることによって発病します。そのため、治療としては、気管支の炎症を抑え、空気の流れや肺の働きをよくするための薬物療法と、気管支の炎症を起こす原因の除去が行われます。

薬物療法

喘息の治療では一般的に、症状を軽減させるために、気管支拡張薬や抗アレルギー薬、吸入タイプのステロイド剤などを長期に渡って服用します。また、喘息の発作時には即効性があり、短期間の使用に向いている気管支拡張薬や、ステロイド剤を使用します。

具体的な投薬の仕方は喘息の症状の度合いよって異なり、重症になるほどに吸入ステロイド剤などの用量が多くなります。薬物療法を3ヵ月ほど続けてみて、症状が改善したら、薬剤の強さや用量を減らしますが、症状が改善しなかったり、悪化したりすれば薬剤を強くします。

環境の改善

喘息の治療や予防においては、ダニ、ハウスダスト、化学建材、花粉、ペットなどアレルギーを起こす物質を取り除くことが大切です。次のようなことに注意しましょう。

●頻繁にそうじをして、ゴミやハウスダストを溜めないこと。ハウスダスト自体も喘息によくありませんが、ハウスダストは“ダニの巣窟”になります。

●じゅうたんやマット類は撤去してフローリングに。

●布団は最低週に一度は外に干し、取り込むときに掃除機をかけます。

●部屋が乾燥しないように注意。ただし、加湿器を使う場合は、水カビが溜まりやすいので清潔を保つようにしましょう。

●部屋はまめに換気すること。

●ペットや化学建材によるアレルギーが明らかな場合は、ペットを人に譲るなど改善策を講じましょう。

●食品添加物などが多く含まれた食品を控えましょう。

●禁煙を実行。周囲の人にも近くでタバコを吸わないように協力してもらいましょう。

また、職業喘息の場合は、仕事中にマスクや手袋をすることによって症状が軽減することがあります。

減感作療法

減感作療法とは、アレルギーを起こす物質をごく少量皮下注射することによって、その物質に対する免疫力をつけ、アレルギー反応を起こさないようにする治療法です。

最初は週に1度ずつ注射しますが、様子を見ながら次第に間隔をあけて月1回程度注射するようになりますが、治療は長期に渡ります。治療の効果がよく現れる人が多い反面、あまり効果が出ない人もいます。

喘息日記をつける ~喘息と上手に付き合うための習慣~

喘息は慢性疾患なので、自分の喘息の症状や程度をよく知り、自己管理することが大切です。そこで、日々の喘息の状態を記録しましょう。特に、発作が起きたときの症状や、風邪などほかの症状があったかどうか、薬の服用状況、発作の原因として考えられることを記入します。呼吸機能を調べるためにピークフロー値を測定している人は、それも記録します。

その日記を見ることによって、発作の強度や頻度を自分自身で把握することができ、治療や発作の予防に役立てることができます。

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